藤澤労務行政事務所は、労働基準監督署の事業所調査・臨検への対応でお困りの中小企業経営者の方、及び労働基準監督官から是正勧告書・指導票の交付を受け、その具体的対応策でお困りの中小企業経営者の方をサポートしております。
労基署等の行政調査についてお困り事がありましたらお気軽にご相談下さい。
労働基準監督署の監督官が行なう事業所調査は、一般的には『労働時間等(又は過重労働)に関する調査について』と題された来署通知から始まります。
また、場合によっては「臨検」と言って、労災事故の発生や労働者の申告等により労働基準監督官が事業所に立入検査を行なうこともあります。
労働基準監督官は、労働基準法・労働安全衛生法等に関する司法警察権を有すると共に、労働法令遵守の指導や違反行為の取締りの為、法令により以下の権限が付与されています。
1)事業所及びその附属建設物への立入調査権
2)帳簿・書類、証拠物件などの提出要求権
3)事業主や労働者に対する尋問権、報告・出頭命令権
4)事業所の附属寄宿舎に関する即時処分権
最近の労働時間管理(削減)、残業代支払、健康診断実施などに対する監督強化は、『働き方改革』の推進も然ることながら、企業の労働者に対する安全(健康)配慮義務違反事件多発の流れの中から生じた「取締り強化に対する社会的要請」に基づいている、ということをよく理解する必要があります。
労働基準監督官の調査や臨検を受ける際は、労働者の健康障害防止という視点を持った対応姿勢で臨むことが何より重要です。
期せずして労働基準監督官から是正勧告書又は指導票の交付を受けた場合は、現実に労働法令違反(又は違反に繋がり得る実態)がある訳ですから、出来る限り速やかに是正措置を講じると共に、その是正の事実を是正報告書に記載して証拠物件と共に労働基準監督官へ提出しなければなりません。
では、是正措置を怠った場合はどうなるのでしょうか?
先述した様に労働基準監督官は司法警察権を有していますので、その労働法令違反について企業経営者が逮捕、送検される場合があります。
また、労働安全衛生法違反の状態に起因して労災事故が発生した場合は、「事業主の重大な過失による労災」と断定され、労災保険給付に要した費用の全部又は一部を徴収されることになります。
更には、被災労働者から事業主の安全配慮義務違反を理由とする民事上の損害賠償請求を受けた場合は、是正措置の遅滞はその客観的証拠になってしまうので注意が必要です。
日本年金機構では、全国各地の年金事務所を通じて、社会保険未加入の法人事業所をリストアップして立入検査・加入指導を実施すると共に、既に社会保険加入済の事業所に対しては、定期的(概ね4~5年毎)に以下の内容の社会保険適用調査を実施しています。
1)社会保険適用条件を満たす社会保険未加入者がいないか?
2)年金事務所に届け出ている社会保険加入者の報酬月額が適正か?
3)月額変更届、賞与支払届の手続漏れが無いか?
尚、最近では、調査の効率アップの為に厚生年金保険被保険者数と雇用保険被保険者数の乖離が大きい事業所をピックアップして重点的に調査を実施している様です。
当事務所では、労務顧問契約を締結している企業様については、所轄年金事務所で実施される社会保険適用調査の立会を代行しております。
事業所調査に当たる確率(頻度)としては先述した社会保険適用調査より遥かに低いですが、主に会計検査院の調査の一環として労働局(又は労働基準監督署)は以下の内容の労働保険料算定基礎調査を実施しています。
1)過去2年間の労働保険料申告・納付が適正か?
2)雇用保険加入漏れ(又は加入逃れ)の労働者がいないか?
尚、当事務所の今迄の経験から言いますと、労働者数が概ね100名以上の事業所で、且つ労働保険料申告書において労働者数に占める雇用保険被保険者数の割合が低い事業所が調査に当たっている様です。
調査時の注意点としては、各月の賃金支払額について、賃金台帳だけでなく総勘定元帳等の税務書類との突合チェックが行われることです。
当事務所では、労務顧問契約を締結している企業様については、労働保険料算定基礎調査の立会を代行しております。