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     石綿疾病の労災認定基準

石綿疾病とは?
石綿疾病とは、石綿(石綿をその重量の1%を超えて含有する物質を含む)との関連が明らかな疾病を指し、現在石綿曝露作業に従事している労働者、又は過去に石綿曝露作業に従事していた労働者を対象に、以下の5疾病が挙げられています。
(1)中皮腫(原則として、石綿曝露作業経験1年以上が条件)
(2)石綿肺(じん肺管理区分の決定が為されていることが条件)
(3)肺がん(原則として、石綿曝露作業経験10年以上が条件)
(4)びまん性胸膜肥厚(原則として、石綿曝露作業経験3年以上が条件)
(5)良性石綿胸水(石綿起因である旨の診断が困難なケース有り)

尚、石綿曝露作業とは、石綿(アスベスト)を含んだ原料や製品を直接取扱う作業だけでなく、それらの作業の周辺で間接的な石綿(アスベスト)の曝露を受ける作業も含まれます。
例)事務作業、作業服の洗濯作業、作業所の清掃作業など

但し、労災認定の対象となるのは、あくまでも「労働者」に限られますので、労災保険に特別加入していなかった個人事業主、石綿曝露作業従事者のご家族、石綿(アスベスト)を取扱う事業所の周辺住民などは、労災認定の対象にはなりません。



各石綿疾病の具体的な労災認定基準
(1)中皮腫に対する労災認定基準
中皮腫(胸膜、腹膜、心膜、精巣鞘膜)については、じん肺法で定める胸部X線写真の結果が「第1型以上」の石綿肺所見が得られている場合、又は胸膜プラーク・石綿小体・石綿繊維に関する医学的所見が有り、石綿曝露作業経験1年以上の場合に労災認定されます。
尚、現在は、胸膜プラーク・石綿小体・石綿繊維に関する医学的所見が無くても、病理組織検査で中皮腫の確定診断が為されている場合は、原則として労災認定されます。
(病理組織検査が行なわれていない場合は、臨床の検査結果や所見などから労災認定可否が判断されることになります。)


(2)石綿肺に対する労災認定基準
石綿肺については、都道府県労働局長によるじん肺管理区分が「管理4」の石綿肺の場合、又は「管理2or3」の石綿肺に以下のいずれかの疾病を合併して発症している場合に労災認定されます。

肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、続発性気胸


(3)肺がんに対する労災認定基準
肺がんについては、じん肺法で定める胸部X線写真の結果が「第1型以上」の石綿肺所見が得られている場合、又は胸膜プラーク・石綿小体・石綿繊維に関する医学的所見が有り、石綿曝露作業経験10年以上の場合に労災認定されます。
(但し、転移性の肺がんは原則として労災認定の対象外となります。)
尚、石綿曝露作業経験が10年未満の場合でも、次のいずれかの要件を満たす場合は労災認定されます。
乾燥肺重量1g当たり5千本の石綿小体、又は2百万本以上の5μm超石綿繊維(若しくは5百万本以上の2μm超石綿繊維)が認められる場合
気管支肺胞洗浄液1ml中5本以上の石綿小体が認められる場合


(4)びまん性胸膜肥厚に対する労災認定基準
びまん性胸膜肥厚については、石綿曝露作業経験3年以上で、肺機能に著しい障害が有り、肥厚の最も厚い部分が5mm以上、且つ肥厚の広がりが側胸壁の1/4以上(片側のみの肥厚の場合は1/2以上)である場合に労災認定されます。


(5)良性石綿胸水に対する労災認定基準
良性石綿胸水については、胸水自体が石綿以外の要因でも発症するものである為、石綿以外の胸水要因を全て排除した上で労災認定可否が決定されます。
ただ、上記の(1)〜(4)のような、ある程度明確な労災認定基準が確立されていないのが現状です。






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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所