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   意外に知られていない労働福祉事業

労災保険の労働福祉事業
労災保険では、業務災害や通勤災害で被災した労働者(及びそのご遺族)に対して、労災保険給付の支給を行なうだけでなく、傷病治癒後のアフターケア、温泉保養、外科後処置、義肢等の支給、ご子息の就学援護・就労保育援護など、様々な労働福祉事業を行なっています。

特別支給金も労働福祉事業の一環として支給されるものですが、この特別支給金は労災保険給付を請求すれば、その保険給付に上乗せされて自動的に支給されますので(但し、療養給付・介護給付・葬祭料・葬祭給付・二次健康診断等給付を除く)、ここでは割愛し、その他の「意外に知られていない労働福祉事業」の内容について以下にご紹介します。



傷病が治癒した人を対象にした労働福祉事業
(1)アフターケア制度
以下に掲げる傷病のいずれかに該当する場合で、その傷病治癒後に、後遺症状に悩まされるおそれがある者、又は後遺障害に付随する新たな疾病が発生するおそれがある者を対象に、各都道府県の労働局長が「健康管理手帳」を交付して、労災(指定)病院等で行なうアフターケアです。
〈対象となる傷病〉
脊髄損傷、頭頸部外傷症候群、尿道狭窄、慢性肝炎、白内障等の眼疾患、振動障害、大腿骨頸部骨折及び股関節脱臼・脱臼骨折、人工関節・人工骨頭置換、慢性化膿性骨髄炎、虚血性心疾患等、尿路系腫瘍、脳血管疾患、有機溶剤中毒等、外傷による末梢神経損傷、熱傷、サリン中毒、精神障害



(2)温泉保養
原則として障害等級8級以上該当者に対して、1つの障害に対して1回、6泊7日以内の温泉保養の費用(宿泊料、食事代等)が支給される制度です。
尚、障害等級3級以上該当者の場合は、介添人1名の費用も支給されます。
温泉保養を希望する場合は、「温泉保養申請書」を所轄の労働基準監督署に提出し、「温泉保養券」の交付を受ける必要が有ります。


(3)外科後処置
障害給付の受給者を対象に、義肢等装着の為の断端部再手術、醜状軽減の為の整形手術などを行なう制度です。
外科後処置を希望する場合は、「外科後処置申請書」と医師が交付する「診査表」を所轄の労働基準監督署に提出し、「外科後処置承認書」の交付を受ける必要が有ります。


(4)義肢等の支給
障害給付の受給者を対象に、次に掲げる補装具を支給(又は修理)する制度です。
〈補装具の内容〉
義肢、上肢(下肢)装具、体幹装具(8級以上)、座位保持装置(1級のみ)、盲人安全杖、義眼、眼鏡、点字器、補聴器(11級以上)、人工咽頭、(電動)車椅子、フローテーションパッド、歩行車(3級以上)、収尿器、ストマ用装具、歩行補助杖(7級以上)、鬘、浣腸器付排便剤(3級以上)、褥瘡予防用敷布団、介助用リフター(1級のみ)、ギャッチベッド(1級のみ)

義肢等の支給を希望する場合は、「義肢等支給(修理)申請書」を所轄の労働基準監督署に提出し、「義肢等支給(修理)承認書」の交付を受ける必要が有ります。


(5)旅費の支給
先述した(2)温泉保養、(3)外科後処置、(4)義肢等の支給の為に旅行をする場合、その運賃、宿泊料、日当が支給される制度です。
運賃のうち、車賃は37円/1kmとなり、鉄道賃は原則として普通運賃ですが、片道50km以上の場合は急行料金、片道100km以上の場合は特急料金が支給されます。
また、宿泊料は8,700円/1泊、日当は850円/1日です。
旅費の支給を希望する場合は、「旅費支給申請書」を所轄の労働基準監督署に提出する必要が有ります。




お子さんがいる人を対象にした労働福祉事業
(1)労災就労保育援護費
次に掲げる条件の全てに該当する場合、児童1人について月額12,000円が支給される制度です。
〈支給要件〉
1)障害(傷病)等級3級以上該当者、又は遺族年金受給者
2)就労の為に未就学児童を保育所若しくは幼稚園に預けている者
3)保育費用の援護が必要であることを労働基準監督署長が認めた者

労災就労保育援護費の支給を希望する場合は、「労災就学等援護費支給申請書」とその児童に関する証明書類を所轄の労働基準監督署に提出する必要が有ります。


(2)労災就学援護費
次に掲げる条件の全てに該当する場合、子が通学する学校の種別に応じて、子1人について月額12,000円〜38,000円が支給される制度です。
〈支給要件〉
1)障害(傷病)等級3級以上該当者、又は遺族給付受給者
2)子が小学校〜大学に通学している者
3)学資の支弁が困難であることを労働基準監督署長が認めた者
〈学校の種別による支給額〉
小学校に在学する子を有する者⇒月額12,000円
中学校に在学する子を有する者⇒月額16,000円
高等学校(又は高専1〜3年)に在学する子を有する者⇒月額18,000円
大学(又は高専4〜5年)に在学する子を有する者⇒月額38,000円

労災就学援護費の支給を希望する場合は、「労災就学等援護費支給申請書」とその子に関する在学証明書等を所轄の労働基準監督署に提出する必要が有ります。



社会復帰を目指す人を対象にした労働福祉事業
(1)職能回復援護
障害等級12級以上に該当する頭頸部外傷症候群等の罹患者で、従前の労働に従事することが困難な為、講習等を受講することにより新たな技能を習得しようとする者を対象に、35,000円を限度としてその教材費等が補填される制度です。
職能回復援護の支給を希望する場合は、「職能回復援護申請書」を所轄の労働基準監督署に提出する必要が有ります。


(2)振動障害者社会復帰援護金
振動障害者となった者で、その傷病が治癒(症状固定)し、これから社会復帰しようとする者を対象に、300万円を限度として援護金が支給される制度です。
支給額は、傷病治癒日時点で65歳未満の者は給付基礎日額の200日分、65歳以上の者は給付基礎日額の120日分です。
振動障害者社会復帰援護金の支給を希望する場合は、「振動障害者社会復帰援護金支給申請書」を所轄の労働基準監督署長に提出する必要が有ります。


【番外編】長期療養者職業復帰援護金
これは被災労働者ではなく、一定の条件に該当する被災労働者を再度職場復帰させる事業主、又は新たに雇入れる事業主に対して支給される制度で、以下の2種類が有ります。
長期療養者就労援護金
対象労働者に支払われた月額賃金の1/3(中小企業は1/2)相当額を、80,000円(中小企業は100,000円)を限度に支給されるものです。
長期療養者職種転換訓練援護金
従前の職種以外の職種に転換する為の訓練を実施した場合、対象労働者1人について月額25,000円が支給されるものです。
先述した「一定の条件に該当する被災労働者」とは、頭頸部外傷症候群、頸肩腕症候群、腰痛の為に1年以上休業し、その後6ヶ月以内に治癒(症状固定)することが見込まれる者を指します。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所