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     パート社員就業規則の必要性

平成20年4月施行の改正パートタイム労働法
今やパート労働者は1200万人を超え、労働者の3人に1人はパート労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者だと言われています。
パート労働者の重要性の高まりに対して、その労働条件や就業環境がほとんど改善されていない現状を踏まえ、企業にパート労働者の労働条件等の改善を義務付ける「改正パートタイム労働法」が施行されました。
以下は、改正法の4大ポイントです。

1.文書による昇給・賞与・退職金の有無の明示義務
労働者を雇入れる時は、パート社員/正社員を問わず、労働基準法の定めにより雇用期間・就業場所・業務内容・始業終業時刻・所定労働時間・所定休日・賃金などの労働条件を文書で明示しなければなりませんが、パート社員の場合は、これらの事項に加えて、昇給・賞与・退職金の有無についても文書で明示しなければなりません。
違反した場合は、10万円以下の過料(秩序罰であり刑罰ではない)に処せられます。

2.パート社員の待遇決定についての説明義務
パート社員の待遇決定に関する以下の事項(限定列挙)について、パート社員から説明を求められたときは、その事項について(会社として)考慮した内容を説明しなければなりません。
(1)労働条件の文書交付等、(2)就業規則の作成手続、(3)待遇の差別的取扱い禁止、(4)賃金の決定方法、(5)教育訓練、(6)福利厚生施設、(7)正社員への転換推進措置

3.「正社員と同視すべきパート社員」の差別的取扱い禁止
「正社員と同視すべきパート社員」とは、(1)職務の内容・責任、(2)人材活用の仕組み・運用、(3)雇用契約期間の3つが正社員とほぼ同じパート社員を指し、こういった「名ばかりパート社員」については、賃金、教育訓練、福利厚生について正社員と差別的取扱いをすることが禁止されました。
特に(3)は、半年若しくは1年の有期雇用契約を締結していても、それが何度も自動更新されていると、雇用期間の定めの無い終身雇用契約とみなされますので、充分ご注意下さい。

4.パート社員の正社員登用(転換)の推進義務
パート社員を1人以上雇用する企業は、次のいずれかの措置を講じなければなりません。
(1)正社員の募集時に、その募集内容を既に雇用しているパート社員にも周知する。
(2)正社員ポストの社内公募時に、既に雇用しているパート社員にも応募の機会を付与する。
(3)パート社員の正社員登用の為の試験制度を設ける。
(4)その他、就業規則等でパート社員の正社員登用制度を定めるなどの推進措置を講じる。
尚、この規定は、実際にパート社員を正社員に登用(転換)することを義務付けるものではありません。



パート社員就業規則作成の必要性
会社内における「パート社員」という身分呼称が、法律上の「パート労働者」の定義に合致したものであるか否かは別にして、正社員とパート社員の労働条件を明確に分けている場合は、正社員向けの就業規則とは別にパート社員向けの就業規則を別途作成すべきです。
なぜなら、パート社員向けの就業規則が無い場合、就業規則の適用について、どの規定がパート社員にも適用され、どの規定がパート社員には適用されないのか・・・といった適用範囲が詳細に定められていないと、特に諸手当の支給、昇給・昇格、慶弔見舞金・休暇、福利厚生、賞与・退職金の支給などで労使トラブルが発生する原因になるからです。

また、会社内で、パート社員、契約社員、準社員、嘱託社員といった正社員以外の身分呼称を設けている場合は、就業規則で各々の身分呼称の定義を明確に定めておかないと、先述した改正パートタイム労働法の「正社員と同視すべきパート社員」か否かという面で必ずトラブルになります。

尚、中小企業の場合は、就業規則でパート社員の正社員登用制度を定め、実際にその制度に基づいてパート社員の正社員登用を行なうと、後述する中小企業雇用安定化奨励金(助成金)が受給出来ますので、改正パートタイム労働法が施行されたのを機に、パート社員就業規則を作成・整備することをお勧めします。



パート社員の正社員登用(転換)に対する助成金
この助成金は、中小企業が、パート社員又は契約社員などの有期雇用労働者を、新たに終身雇用の正規雇用労働者に登用(転換)した場合に支給される「中小企業雇用安定化奨励金(平成20年4月施行)」です。

【主な支給要件】
(1)雇用保険の適用を受ける中小企業であること。
※中小企業とは、原則として資本金3億円以下・労働者数300人以下の企業を指しますが、卸売業は資本金1億円以下・労働者数100人以下、サービス業は資本金5千万円以下・労働者数100人以下、小売業は資本金5千万円以下・労働者数50人以下の企業が対象です。

(2)平成20年4月1日以降に有期雇用労働者を正規雇用労働者に登用(転換)する制度を新たに就業規則(又は労働協約)で定めたこと。
※平成20年3月31日以前から、既に就業規則等で上記の登用(転換)制度の定めが有る場合は対象外です。
尚、過去に雇用保険の被保険者区分変更(「7」→「1」)を行なった労働者が実際にいたか否かは問われません。

(3)就業規則等の正社員登用(転換)制度に基づき、6ヶ月以上継続雇用する有期雇用労働者を1人以上、正規雇用労働者に登用(転換)したこと。
※人材派遣会社の派遣労働者を自社の正社員として直接雇用した場合は対象外です。
正規雇用労働者とは、雇用期間の定めの無い終身雇用契約(定年制適用は可)を締結し、その事業所のフルタイム労働者の所定労働時間の9割を超える所定労働時間で働く労働者を指します。

(4)就業規則等で定めた正社員登用(転換)制度が適正且つ公平に運営されていること。

【支給額】
最大で135万円(母子家庭の母等が含まれている場合は更に増額有り)が受給出来ます。
具体的には、
1人以上を正社員に登用(転換)した場合、「転換制度導入事業主」として35万円が支給されます。
転換制度導入事業主が、当該制度導入日から3年以内に3人以上を正社員に登用(転換)した場合、「転換促進事業主」として、対象労働者1人につき10万円(但し、10人→100万円が限度)が支給されます。

尚、対象労働者の中に母子家庭の母等が含まれている場合で、当該制度導入日から3年以内に2人以上を正社員に登用(転換)した場合は、以下の拡充措置(加算措置ではありません)が適用されます。
・母子家庭の母等である対象労働者→1人につき15万円
・母子家庭の母等でない対象労働者→原則通り(1人につき10万円)





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所