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    役員規程の記載事項と注意点

役員規程の記載事項
会社の役員(代表取締役、取締役、監査役)は、会社と委任契約関係にありますので、労働基準法に規定される就業規則の適用は受けません。
(尚、執行役員は、取締役を兼務していない限り、会社と雇用契約関係にありますので、一般社員と同様に就業規則の適用を受けます。)
ですので、会社の役員に対する社内のルールを明確にする為には、「役員規程」を別途作成する必要が有ります。

一般に、役員規程には次に掲げるような事項を規定します。
規程の適用範囲
役員の種別、及び種別毎の職務権限
 (会長、社長、専務、常務、監査役など)
役員の任期、及び選任・就任の手続き
役員の解任、辞任の手続き
役員の定年、欠格事由など
役員の服務規律(役員心得)
役員の禁止行為
役員の賠償責任
役員の勤務時間、休日、休暇など
役員報酬の決定(変更)方法、支払方法
 (毎月の報酬・諸手当、賞与など)
役員報酬の減額事由とその手続き
役員の出張旅費精算
役員に対する慶弔見舞金
役員の災害補償(保険加入の場合)
役員の退職(慰労)金の決定方法、支払方法

稟議及び決裁の手続き
また、取締役会に関する規定を役員規程の中で定める場合も有ります。
(尚、株式会社は、非公開会社の場合は取締役会の設置は任意ですが、有限会社は特例有限会社となった現在も取締役会を設置することは出来ません。)
取締役会に関する規定には次に掲げるような事項が有ります。
開催時期、招集者及び招集手続き
議長、決議方法
取締役会での決議事項
(特に、取締役会の専決事項となる「重要な財産の処分・譲受」、「多額の借財」に対する“重要”、“多額”の付議基準)
取締役会への報告事項
取締役会の権限と責任(義務)
取締役会と監査役の関係
議事録の作成と管理
会社法では、「取締役会設置会社の代表取締役(及び業務執行取締役)は、3ヶ月に1回以上、その業務執行状況を取締役会に報告しなければならない」と規定されています。
また、取締役会議事録は10年間の保存義務が課せられていますので、取締役会を設置している会社は、(法律上では)1事業年度に最低4回分以上の「取締役会議事録」が会社に保存されていなければならないことになります。



役員規程に関する注意点
役員規程を作成する際の注意点を以下に列挙します。

(1)会社の役員は原則として“労働者”では有りませんので、労働基準法などの労働法令、及び労災保険・雇用保険の適用を受けることは出来ません。
但し、肩書きは取締役であっても、就労実態が何ら一般従業員と変わらない場合は、労働法令や労働保険の適用を受ける“労働者”とみなされますのでご注意下さい。

(2)数十人又は数人の小規模企業であっても、会社の役員は原則として中退共や特退共に加入することは出来ません。
ですので、役員に退職金を支給する場合は、民間の保険会社の生命保険等に(会社を保険金受取人として)加入するか、又は、従業員数20人(商業・サービス業は5人)以下の企業の場合は小規模企業共済制度に加入し、その契約内容を退職金規定に定めるのが一般的です。

(3)会社から役員に支給する金銭を会社の経費にして、尚且つその金銭を貰った役員本人にも所得税がかからない方法として「出張時の日当支給」が有ります。
但し、出張距離などに相応した額でないと、税務署に日当とは認めてもらえませんので、役員の出張旅費規程で支給する日当の額を明確に定めておく必要が有ります。

(4)株式会社において、取締役(及び監査役)の任期を10年に延長する為には以下の条件を満たす必要が有ります。
 ・定款にて株式譲渡制限の定めが有ること(株式譲渡制限会社であること)
 ・定款にて取締役、監査役の任期を10年とする定めが有ること
(役員規程の定めだけで取締役や監査役の任期を延長することは出来ません。)

(5)取締役会を設置しない株式譲渡制限会社の場合は、取締役を最低1名置けば良いことになりますが、取締役会を設置する場合は、従来通り取締役を3名以上且つ監査役(又は会計参与)を1名以上置かなければなりません。
(有限会社は監査役を置くことは出来ますが、会計参与を置くことは出来ません。)

(6)取締役の解任決議は、総会の特別決議を要さず、普通決議で出来ますが、取締役の解任は、その取締役に対する懲戒処分に他ならないので、役員規程で予め懲戒事由(会社からの委任契約解除事由)を明確に定めておいた方が無用なトラブル防止に役立ちます。

(7)従来の商法・有限会社法では、違法な配当や利益供与、利益相反取引に対する取締役の責任は無過失責任になっていますが、会社法の下では原則として過失責任(その職務を怠っていた場合に限り有責)となります。
これは、その利益相反取引などに対して取締役会が承認していたか否かを問いません。
また、ある取締役が有責となった行為が取締役会での決議に基づく行為であった場合、従来の商法・有限会社法ではその決議に賛成した他の取締役もその行為を行なったと一律にみなされてしまいますが、会社法の下では、他の取締役の行為に対して無過失責任を負うことは無くなります。
但し、取締役の利益供与責任が発生した場合、その利益を供与した取締役の責任は無過失責任となります。 また、取締役が自分の為に行なった取引によって生じた責任についても無過失責任となります。

(8)有限会社を含めて、取締役会を設置していない会社の場合は、取締役が利益相反取引や競業取引を行なう為には、株主総会での普通決議による承認が必要になります。
また、利益相反取引を行なった取締役が有責となった場合、それを免責する為には、総株主の同意が必要になります。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所