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       就業規則の基礎知識

就業規則の作成・届出義務
労働基準法では、「常時10人以上の労働者を使用する者は、就業規則を作成して、労働者の過半数代表者の意見書を添付した上で、所轄労働基準監督署に届出をしなければならない。既存の就業規則を変更した場合も同様とする。」と定められています。
ここで注意すべきポイントは以下の4点です。
1.「労働者数10人以上」は企業単位ではなく事業所(場所)単位で見ます。
就業規則は、原則として各事業所毎に所轄労働基準監督署へ届け出る必要があります。
但し、次に掲げる要件を全て満たしている場合は、本社事業所で各事業所(支店・営業所など)の就業規則を一括して届け出ることが出来ます。
本社事業所と各事業所の就業規則が同一内容、且つその旨の附記有り
本社事業所以外の各事業所の名称、所在地、所轄労基署名を明記
本社事業所と各事業所の数に応じた部数の就業規則を提出
全ての事業所の労働者代表の意見書(正本)を添付

2.「労働者数」には正社員以外のパートタイマー、アルバイトなども含まれます。
但し、会社の取締役(使用人兼務役員を除く)・監査役、雇用保険に加入出来ない家族従業員、業務請負人、派遣労働者などは含まれません。

3.「労働者の過半数代表者の意見」は反対意見でも構いません。
この意見聴取手続きの主旨は、就業規則を労働者側に全て公開したということにありますので、労働者が就業規則の内容に反対意見を述べても、規定自体が法令違反でない限り、問題無く就業規則は受理されます(就業規則の法的効力に影響は有りません)。
但し、全労働者による投票又は挙手などの方法で、公正に代表者を選任しなければなりません。

4.就業規則の作成・届出義務違反は30万円以下の罰金刑です。



就業規則の法規範性と労働条件の不利益変更
労働基準法の第2条では、「労働条件は労使が対等の立場で決定すべき」と規定しています。 一方で、同条の第2項では「労働者及び使用者は就業規則を遵守しなければならない」と規定し、労働法令ではめずらしく労働者側にも「就業規則を遵守せよ」という義務を課しています
前述しましたように、労働基準法は、就業規則の作成において労働者側の同意迄は要求していませんので、使用者(会社)は独断で自由に就業規則を定めることが出来ます。 
ですが、使用者が就業規則で労働者の労働条件を一方的に定めることは、上記の第2条の規定に違反しています・・・・・。 何か矛盾しているような気がしますよね?
ところが、矛盾はしていないのです。
なぜなら、法律で定められた就業規則の必要記載事項は、全て法律で定められた雇用契約締結時の労働条件明示事項でもあるからです。
つまり、就業規則が有るか否かに関わらず、法定の労働条件は既に各労働者との雇用契約締結時に労使が対等の立場で合意しているはずだからです。
また、就業規則の規定内容に達しない労働条件を定める雇用契約は、無条件にその部分が無効となり、就業規則の労働条件が適用されますが、その逆(就業規則の規定内容が雇用契約の労働条件を下回る場合に、雇用契約の労働条件を就業規則の労働条件迄引き下げること)は法律上認められていません。

ですので、一旦個々の雇用契約で労働条件を労使合意により決定した以上、それを後から就業規則の定めだけで一方的に引き下げることは原則として出来ません。

尚、個々の雇用契約で具体的に定めていない事項(労働条件)を就業規則で具体的に定めることは、それが「今迄の労使慣行に対する不利益変更」に該当しない限り、何ら問題有りません。

個々の雇用契約で定めた労働条件の引き下げ(不利益変更)をする場合は、その手続きが就業規則変更であれ、個々の雇用契約の更改であれ、原則として労使合意が必要となります。

ここで「原則として」と言うのは、「(賃金ダウンなど)労働条件の不利益変更を行なうことについて合理的な理由(会社存亡の危機など)が有れば、例え労使合意が得られない場合でも労働条件を不利益変更出来る」とする最高裁判所の判例があるからです。
尚、この「合理的な理由に該当するか否か」を判断する権限を有するのは裁判所だけです。
労働基準監督署には民事的な法律問題を判断する権限は有りません





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所