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            労働者派遣の基礎知識

労働者派遣事業とは?
労働者派遣は、本来は職業安定法により全面的に禁止されている労働者供給事業に該当します。 この労働者供給事業が、昭和61年に施行された労働者派遣法により、一定の条件を満たした事業者に対して例外的に許されているに過ぎません。
ですので、他の事業には無い“法律と行政官庁による規制”の中で事業を営まなければなりません。


労働者派遣事業は2種類
1.一般労働者派遣事業
登録社員のみ、又は登録社員と常用社員の混在により労働者派遣を行なう事業を指し、厚生労働大臣の「許可」が必要です。
尚、許可証の有効期間は3年(更新した場合は5年)です。

2.特定労働者派遣事業
常用社員のみにより労働者派遣を行なう事業を指し、厚生労働大臣への「届出(認可)」が必要です。
但し、文言は「届出」となっていますが、一定の条件を満たしていないと届出書が受理されないので、手続を行なう上においては「許可」と同じだと考えて下さい。
尚、届出受理証の有効期間は原則として無期限です。


【注意点】
(1)「一般」、「特定」は事業所毎に判断
労働者派遣事業の許可申請又は届出は本社事業所で一括して行なうことが出来ますが、依然として一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の区別は事業所毎に判断されることになっています。(許可証や届出受理証も事業所毎に交付されます。)

(2)常用社員の判断基準
次のいずれかに該当する場合に限り常用社員とみなされます。
 
無期雇用契約(無期雇用と同一視される形式的な有期雇用契約を含む)を締結している社員
 
1年を超える雇用期間を定めた雇用契約を締結している社員
また、当然ながら、常用社員は原則として雇用保険と社会保険(健康保険と厚生年金保険)の被保険者でなければなりません。

(3)許可申請又は届出の窓口は各都道府県の労働局
「一般」の許可申請も、「特定」の届出も厚生労働大臣宛ですが、実際の手続き上の窓口は、その会社の本社事業所を管轄する各都道府県労働局の需給調整事業部になります。
これは、有料職業紹介事業の許可申請手続きも同様です。

(4)関連法規に対する一定レベルの知識が必要
労働者派遣事業の許可を取得する(又は届出が受理される)為には、労働者派遣法のみならず、労働基準法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、職業安定法などの関連法規に対する一定レベルの知識が必要です。
これは、先述しましたように、労働者派遣事業は「労働法令を遵守する事業者に対して特別に認められた事業」ですので仕方有りません。

(5)許可は月の初日付け
一般労働者派遣事業の場合、許可申請書を提出しても、書類の手直しや審査期間(事業所の実地調査等)などで許可を受ける迄最低2〜3ヶ月はかかります。 また、手続きや提出書類において何らかの不備が有ると、許可を受ける日が当初の予定日から更に1ヶ月ズレ込みますので、ある程度余裕を持ったスケジュールを立てる必要が有ります。
尚、愛知県の場合は、許可を受けようとする日(派遣業務開始予定日)の2ヶ月前迄に許可申請手続きを行なう必要が有ります。 特定労働者派遣事業の届出は随時受付されますが、社会保険労務士に手続きを委託した場合を除き1回目の書類提出で届出が受理されるケースは稀ですので、数回労働局へ足を運ぶ覚悟が必要です。



労働者派遣の禁止業務
次に掲げる業務については労働者派遣を行なうことが出来ません。
 1.建築・土木作業を行なう業務
 2.港湾運送作業を行なう業務
 3.警備作業を行なう業務
 4.医療関連業務(但し、一定の社会福祉施設に対しては労働者派遣が可能)
 5.弁護士・公認会計士・管理建築士など士業の業務(一部例外有り)
 6.労使間の団体交渉や協議において使用者側の当事者として行なう業務
 7.公衆衛生又は公衆道徳上で有害な業務


【注意点】
(1)労働者派遣が禁止されているのは「建築・土木作業や警備作業を行なう業務」であり、建設会社や警備会社への労働者派遣が禁止されている訳ではありません。
また、建設工事現場で行なう施工管理業務(所謂、現場監督等)、測量業務などは、労働者派遣が禁止される建築・土木作業には該当しません。

(2)医療関連業務の場合、紹介予定派遣であれば、病院などに対して医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、栄養士、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師の派遣が可能です。

(3)医療関連業務において労働者派遣が可能な一定の社会福祉施設とは、身体障害者療護施設、救護施設、更生施設、リハビリテーション施設、(特別)養護老人ホームの中に設けられた診療所を指します。

(4)上記7に違反した場合は、「1年以上10年以下の懲役刑又は20万円以上300万円以下の罰金刑」という労働法令の中では極めて重い罰則が科せられます。

(5)本来の派遣業務が上記1〜7に該当していなくても、派遣就業の中で上記1〜7の業務を少しでもさせた場合は、その派遣就業全体が違法となります。



派遣期間に対する制限
派遣期間(=派遣社員を受け入れることが出来る期間)は、次の表の通り、派遣業務の種類及び態様によって異なります。

派遣業務の種類・態様 派遣可能期間
原則 1年(条件付きで3年)
物の製造業務
政令で定める28業務(事務用機器操作業務など) 無制限
事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止の為の業務で3年以内の完了が予定されている業務 当該業務終了迄
産前産後休業者・育児休業者の代替派遣業務
介護休業者の代替派遣業務
休業者復職迄
1ヶ月間の派遣就業日数が一般社員の所定労働日の半分以下且つ10日以下である派遣業務 無制限


【注意点】
(1)派遣期間に対する制限は、派遣受入先に課された法的規制です。
よって、派遣受入先の事業所が途中で派遣会社や派遣労働者を替えた場合でも、前後の派遣期間が通算されますので、派遣期間制限の規制を逃れることは出来ません。
派遣受入先が派遣期間制限の規制を回避する為には、「3ヶ月を超えるクーリング期間(=派遣受入をしない期間)」を設けなければなりません。

(2)派遣会社と労働者派遣契約を締結しようとする事業所は、政令で定める28業務の場合等を除き、派遣期間制限に抵触する日を書面でその派遣会社に通知しなければなりません。
また、1年を超える期間にわたり派遣労働者の受入を行なう場合は、自社で雇用する労働者の過半数代表者の意見を聴いて、その意見書を3年間保存しなければなりません。

(3)育児休業者等の代替派遣、又は1ヶ月間の就業日数限定派遣に該当する場合は、物の製造業務等への派遣であっても、それぞれ休業者復職迄、又は無制限となります。

(4)政令で定める28業務とそれ以外の業務が混在する場合、派遣期間無制限となる為には、政令で定める28業務の割合が概ね9割以上を占めている必要が有ります。



最近の人材派遣業界の状況
最近の人材派遣業界の状況については、毎年、厚生労働省が派遣会社に報告を義務付けている事業報告を集計し、「労働者派遣事業報告」として公表しています。
この「労働者派遣事業報告」を見たい場合は、コチラをどうぞ。





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愛知県名古屋市の社会保険労務士・行政書士 藤澤労務行政事務所